
光の道
第13章 謎1
開けた先は理科室だった。
「ここにこんな仕掛けがあったなんて…。」
満芦めぐみが驚いた様子で言った。
『だれも、気づかなかったんだ…。』
誰も、気づかない。
中学生、小学生だったころの私なら直ぐに気づいたかもしれない。
理科室にあるホルマリン漬けは見たくなくても目がいってしまうものだった。
不思議と、棚があるのに気づいたら、何のためらいもなく開けていた。
だが、高校生になってからは、そんなことは一切しなくなった。
まず、ホルマリン漬けが理科室にあったことも知らない。
中学生、小学生だった私なら絶対に開けていただろう棚も、開けたことはないし、まず見つけようともしなかった。
(私、中学生からしたらかわったんだな…。)
