
光の道
第4章 3号館
『じゃぁ、ひかりには傷1つないの…?』
私の問いに佐藤くんは、深く頷いた。
私は、それにホッとした。
あれだけ血が出ていたら普通無事じゃない。
出欠多量でおそらく…
そう考えるだけでゾッとした。
『あ、じゃぁこの血も絵の具…?』
私は、田瀬ひかりについた血を手でぬぐってみた。
べっとりとした黒っぽい血。服にへばり着いてとりきれない。
それは、田瀬ひかりの髪にも着いていた。
よく見ると、血は固まっていて黒くなっていた。
『ぇ、』
私は、田瀬ひかりの体を見渡したが、傷は1つもなかった。
『佐藤くんッ!これ本物の血だよッ!』
そう、これは本物血だった。
