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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第6章 夢をみる・・・

『?・・・おい?・・・』




なんだ?いきなり








「ぷっ・・・滝川?

なにお前?医者にでもなる気?」






『は?・・・』







「こんなもん持って

お医者さんごっこか?ケケケケケっ…」







『返せよ』





あぁ……かったるい



こういうやつ




一番かったるいんだよ







『返せ・・・

ベタベタ触るんじゃねーよ』





これは、カンナが

大事に大事にしてきたもの



何度も何度も読み返して

マーカーや付箋紙がいっぱいの



カンナの大事なものだ








「いくらなんでもさぁ~~

お前にゃ無理なんじゃねぇの?♪

無駄な努力ってやつじゃん」







勝手に誤解して

勝手に騒ぎ出したソイツが

ごちゃごちゃとオレを茶化し始めた





あぁ、なんだっけなコイツ



確か



親が医者だか

家が医者の家系だか




そんなやつだったっけ?



タチの悪い方の坊っちゃん育ちで

基本的に横柄で



暇さえあれば

誰かを茶化すネタを探してるようなさ






マジでうざったいな・・・






『いーから返せよ』




「夢みんのはタダだけどさ~~♪」





『チッ・・・』





このクソボンボン……そろそろ




って

いい加減うっとおしくなって

突っぱねようとした時











『やめなよ・・・』












オレの背に

透き通った女の声が刺さる




「……?」


『・・・』





後ろに立っていたのは

ソイツをじっと睨むように

口を真一文字に結んだ

カンナだった

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