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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第9章 一瞬を必死に生きろ・・・

『はぁ~…ヨカッタ、ヨカッタ』



ケガもなく無事に試合が終わった

そんな思いで
胸を撫で下ろす母さんが

さくさくと帰り支度をする




『さてさて帰ろうか~…ふふ、ケイゴ

来てくれると思わなかったよお母さん(笑)

~たまには良い刺激だったんじゃない?』





『・・・。・・・うん』





『あら、やけに素直ね(笑)』




別に反発する理由もなかった


まだ、オレの手には汗が残ってて

少し震えていた




スゲ・・・

スゲーじゃん



人を、こんなに

興奮させたり、感動させられるってさ




誰にも言えなかったけど

オレはコートの弟の姿に


なんでか知らないけど

ウルっと来た瞬間だってあったんだ



・・・





心のどこかで

∥何をやっても弟には叶わない∥

そんなコンプレックスを

きっと抱えていたオレは



リョウキの姿を見て


なんか、色んなものが

吹っ切れた気がした。






それでいてさ、オレ


リョウキの試合観てる最中から

考えさせられたって言うか

気づかされた



当たり前みたいで大事なこと


当たり前みたいで見失い勝ちなこと





才能とかセンス

確かにそれってあるよね




けど、天才でも

落ちこぼれでもさ



出来る、出来ないの前に



∥やろう∥としなければ

永遠に叶わない




もっと言えば

たかが1日…たかが一瞬


そう思って

無駄に生きていたら



何年先の未来に

その願いが叶うことはない



願いが叶う、喜びを手にする



その一瞬を作るのは



地道に地道に積み重ねてきた


沢山の∥一瞬∥の努力だと。



オレは…気づかされた




初めの一歩がないのに


千歩先に立つことは出来ない




カンナだって

ただ秀才なだけじゃない


目標もって、努力して

積み重ねてきたものがあるから

優秀なんだ


弟のリョウキだってそうだ




積み上げてこなかったオレに

やろう、としてこなかったオレに

結果も自信もないのは




当たり前だけど、当たり前なんだ




だから・・・落ち込む必要もない



この先

一瞬、一瞬



必死に

やるまでだ




そんな答えをみつけた

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