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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第10章 新たな未来へ・・・

夏休みを待つオレたちは



カンナの両親や医者に相談をして


外出の許可をもらった





ま・・・黙って無茶苦茶出来るほど

オレももう子どもじゃないからね


(よく言うよね…(苦笑))





夏休みが目前に迫ったころ

オレは

カンナにあるものをプレゼントした







『ぇ?・・・なぁに、これ』






『あけてみな・・・♪』






・・・





『わぁ・・・、か・・・可愛い』





カンナが手にしたのは



薄手のニット帽・・・。




両サイドに毛糸の三つ編みが

くっついてる帽子






『ケイゴ・・・これ、わざわざ』






長い治療で外出どころか

おしゃれもなにも楽しめなかった

そんなカンナに




久々の外出を楽しみにしているカンナに


ほんの少し・・・ご褒美を


あげたかったんだ






治療で抜け落ちた髪の毛は

ツンツンと少しずつ

生えてきてはいたけど



外に出るには帽子やカツラが

欠かせないし



体力や免疫力ないから

マスクは手放せないし



まだまだ…今までの

普通の生活に戻るのは時間がかかりそう




ついでにカンナは

カツラは嫌がって

あまり付けたがらなかった



こんな苦しい病気でさえも

∥大切な経験だ∥なんて言って




ありのままでいようとしていた






そんなカンナだけど



そんなカンナだからこそ



オレは




久々の外出にウキウキしてるカンナに

ほんの少し・・・少しだけ




鮮やかな色の帽子が

楽しさや明るさ

華やかさを添えてくれればいい



そう思ったんだ。

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