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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第10章 新たな未来へ・・・

『ごめんね・・・こんなのしかなくて』






『・・・』







『神社に・・・お参りも…行けないもんだから』






そう言ってカンナが差し出す

お守りを…オレは無意識に見つめていた






『ご・・・ごめんねっ

こんな・・・下手っぴじゃ

ご利益…期待できないかもしれないけどさ』







いつから・・・カンナ



いつから、これ作っていたんだろう





入退院の繰り返しで

体も弱って


手に力が入らないことも多い


そんな事を思わせる

所々…いびつに縫われたお守り




それなのに

細かい刺繍がしてあったり




ひまわりの・・・柄が

縫い付けてあったり





それから・・・刺繍の

メッセージ






∥ケイゴ ガンバレ∥






完成までに時間がかかった…

そんな情景が嫌でも浮かんでくるような

カンナの思いがぎっしりつまった

そのお守り・・・








『・・・っ・・・!』




オレは…いきなり溢れてきた涙を

慌てて隠すように

ひまわり畑の真ん中で

カンナを抱き寄せた

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