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Best name ~ ひまわりとの約束 ~

第15章 神様のイジワル

『あ、浅田先生は・・・まだ?』



「はい・・・理事に呼ばれて」




家族への説明


それに輪をかけて

病院の理事やら上層部への説明



容赦なく忙しなかった






『無力だよね・・・僕たち医者って♪』



諸々の対応を終えて戻った浅田先生が
缶コーヒーを片手に壁に寄りかかる





『・・・。・・・でも彼女は

転院してきた時点で・・・正直

相当厳しい状態だったじゃ…』






『だったら…引き受けるべきじゃなかった』





『・・・それは

・・・最悪の場合も想定して

説明して、それでも患者と家族が

希望して浅田先生のところに…』




『それでも・・・僕も断るべきだった』





『・・・』







『僕が・・・死なせたんだよ

まだ18歳の…未来ある女の子を』







『・・・違うと思います

いくら・・・浅田先生の言うことでも

それだけは・・・違うと思います』






『違わないよ・・・♪』





『・・・』


精一杯を尽くしたって
どうにもならないこともある





『ナナミちゃん・・・

治してやりたかった』




浅田先生の背中が

この時だけ…初めて、この時だけ

小さくみえた

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