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「・・・身内なら

やめとくのが無難じゃないのか～？」



明らかな動揺を見せてしまったボクを

見逃さなかったベテラン救命医は

ボクが手術室に入るのに難色を示す



まぁ、身内や知り合いの手術なんて

避けるのがおおよそ常識だからね





『身体にメス入れるんじゃないので…♪

ボクは補佐に入れて下さい』




不幸中の幸いと言うもので

アイルちゃんは、明らかな

致命傷となりうる可能性のある

とんでもない怪我は負っていなかったから



骨は一部、やってしまってたけど

傷の縫合や感染症防止に

急いで処置に入る




『ぁ…っと、ゴメン…針糸ください』


oh～no

ホッチキス～はダメだぜナースちゃん

ボクは笑顔で差し出された器具を拒む





『傷痕…残らないようにしたいからさ♪』



「ぁ…す、すみません」




『・・・♪』



文字通りの…嫁入り前の女の子



細かく縫えば、それ分

時間がかかるのは承知で

ボクは神経を集中させて縫合した





少しでも…元の状態で


少しでも…元気な状態で



この子を・・・弟の元に



リョウキの元に帰してあげたい。