ねぇもう嫌・・・
第13章 治療
柊先生は斜め右下をチラッと見たあと私に言った。
『…昼飯食ったら授業休んで保健室来て。』
「えっ…」
『ずっと放置してたんだろ。もし酷かったら治療もするから。』
「やだっ…」
『やだじゃない。』
復唱されると、自分の言葉の幼稚さに恥ずかしくなった。
「っ…」
大粒の涙が零れた。
慌てて涙を拭う。
『保健室で待ってる。』
行きたくない
いっそ我慢している方がマシだ
愚かすぎる葛藤に、自分の心の弱さを思い知る。
…息苦しい。
柊先生が私から目線を逸らしたのを感じ取り、私は全速力でその場から逃げた。
『おい!』
柊先生の叫ぶ声が、より一層私の足を速くさせた。
鼓動が早くなり、呼吸が乱れる。
平然を装うなんて無理だ。
友達にはなんて言おう…
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