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Treasure of life

第10章 三日月

side N

そんなわけで…。

これから家帰って、ゲームしながら出前頼んで〜…。

と、思い描いていたスケジュールが脆くも崩れ去った俺は、マネの送迎を断って、相葉さんと地下駐車場に降りた。

「あっつ〜」
「暑いね〜」
駐車場は蒸し暑く、モワッとした空気に包まれる。

「どうぞ〜」
「どうも」
相葉さんが助手席のドアを開けてくれて車に乗り込む。

あれ、俺相葉さんの車に乗るのいつぶりだっけ?

カーステからは嵐の曲が流れ始める。

駐車場を出ると空はまだ明るく、まもなく車は帰宅ラッシュと思われる車列に溶けていった。


流れる車窓の景色を見ていたら、相葉さんが口を開いた。

「お正月、ニノちゃんの車乗ったときさ、『season』が流れたじゃん?それ聴いてから俺も(USBに)入れてるんだ〜」
「ふふっ。そうなの?」
「改めていい歌だよな〜って」
「我ながら?」
「嵐っていい歌しかないよね!」
「そうね(笑)」

嵐ってほんとにみんな、自分のグループが大好きな人たちが集まってる(笑)。

それって幸せなことだよね。

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