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Treasure of life

第1章 Baby blue


修了式の日、智くんは職員室の前で多数の生徒に囲まれていた。

一緒に写真を撮る生徒、涙ぐむ生徒…。

それぞれの思いがそこにはあるんだろう。


生徒達もほぼ帰宅の途についた頃、俺と智くんは美術準備室にいた。

「ここに授業以外で来るのも今日が最後かぁ(笑)。智くん、すげー皆に慕われてたんだね」

「あんなに皆が来てくれて俺もびっくりしたけど嬉しかった」

「俺もなんか嬉しかった。

寂しいけど、新しい学校でも頑張ってね」

「ありがとう。俺も…潤の卒業を見届けられないのは残念だけど、頑張ってな」

「…うん。ありがと」

今日は笑顔でいようと決めてたのに、また涙が出そうになった。

智くんはそんな俺に気づいたのか、俺の頭をポンポンとして優しく微笑んだ。

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