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オオカミは淫らな仔羊に欲情す

第9章 季節はうつろう


  今日から2学期。

  そして、今日から私も利沙にならって全日制の
  クラスへ移行した。

  それは言うまでもなく、来年に控えた大学受験の為
  なんだけど。

  そろそろ、本命(第一志望)と滑り止めくらいは
  決めておかなきゃいけないこの時期に、
  私は? と言えば、進学か・就職か、さえ
  決めかねているような状況で……。


 ***  ***  ***


  昼休み明けの5・6時限目まで担当授業はないので
  屋上に行き一服タイム。

  ――と、まだ授業中だというのに、
  絢音が姿を現した。


「あ、竜二先生だぁー。今日はよく会うね」

「会うね、じゃないよ。まだ授業中だぞ」

「そーゆう先生だって実はサボり?」

「オレの次の授業は5・6時限目だ」

「な~んだ、そうなのかぁ……でも、私のサボりは
 見逃してよー。数学の迫田、チョ~苦手なんだもん」

「それは奇遇だな、オレもだ……しゃーない、今だけ
 見逃してやる」

「ふふふ ―― ラッキー、ありがとね、竜二センセ」

「つーか、今日はお前1人か? 久住はどうした?」

「別に柾也とはいっつもツルんでる訳じゃないし、
 あいつは基本的に真面目くんだから、私と同じに
 考えないでやってね」


  そう言って、気持ち良さそうに大きく背伸びを
  してから、
  コンクリートの地面にそのまま横たわった。


「こう、天気がいいと眠くなっちゃう……」

「オイオイ、こんな所で寝るなよ。風邪引くぞ」


   (―― って、そうじゃねぇだろオレ)


  今は9月の初旬、まだ夏服なので、
  当然それなりに薄着だ。

  横たわると重力でシャツが体に密着し
  自然と……が……。

  それに、高3・17才ともなると、
  体は完全に成熟した女そのもので……。

  そんなじっと直視してはいかん……と、思いつつも
  オレの視線は絢音の胸元へ誘(いざな)われる。

  ―― ん? あの、てっぺんにちょこんと見える
  黒っぽい粒は、ひょっとして……。

  こ、こいつ、ノーブラかよ??

  それを意識したとたん、
  オレの息子がビクンと反応した。

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