幸せの欠片
第4章 友達の定義
相葉さんがきょとんとしている
「え、だって…」
「こんなちっちゃい事で友達止めるとか、ガキじゃないっつーの。ってか、喧嘩にもなってないから」
あからさまな溜め息を吐いた相葉さんが、触れている俺の手を軽く叩いた
「とにかく、言える事は言って。頼られるのって何気に嬉しいから。…あ、それと」
思わず身構えてしまった
何を言われるんだろう
「今度の土曜日は、昼間の景色見に行こうね」
“ほら、仕事なんだから早く寝て!“ と半ば無理矢理降ろされた俺は
碌に話す事も出来ないまま、走り去る車をただ立ち止まって見送るだけで
相葉さんの顔が少し赤くなっていた事には、気付く筈もなかった
“友達“ ってどういうものなんだろう
少なくとも、対等でなければいけないのは分かるけれど
一緒に遊ぶとか、飲みに行くとか
……何でも話せる、とか?
見えない答えにイライラする
それでもやっぱり
相葉さんの存在は “友達“ でも何でもいいから
自分にとっては特別になりつつある事には、間違いなかった
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