幸せの欠片
第10章 いらない
「どうして、お前が生き残るんだ」
“お前が死ねば良かったのに“
「二宮さん!!」
おまわりさんがぼくをだきしめる
だけどもう、ちゃんときこえちゃったよ
そうだよね
わるいことをしたぼくが、いるからいけないんだ
おかあさんじゃなくて、ぼくがしんじゃえばよかったのに
いきてるぼくが、おとうさんにはにくいんだ
「…ごめんなさい」
ほかに、なんていっていいかわからない
「…すみません、和也を連れて出て貰えますか」
おとうさんがおまわりさんにいった
「二宮さん」
「今、和也の顔を見ると自分が抑えられないんです」
おとうさんがぼくからめをそらす
おまわりさんは、“分かりました“ とぼくをだきあげると
「…ちょっと、あっちにいこうか」
そういって、おかあさんのかおをみせてもらえないまま
ぼくはまた、ドアのそとにつれていかれた
おまわりさんがドアをしめようとしたとき
「かずなんかいらない!!」
おにいちゃんのさけんだこえが、ぼくをおそった
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