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自分であるために

第8章 アンタがいるから

「っ……はぁ?! 京のことバカにするな! 京はな、すっごくかっこいいんだ! アタシのこと守ってくれるヒーローなんだ! だけど、弱くて脆いところとか守ってあげたいところとか可愛いところもあって、アンタよりよっぽどかっこ可愛いの!! こっちこそアン……」

「はぁ? なんなの? 暑苦し。やってらんねー。せいぜい、オトコオンナと女装女で仲良くしてな」

 薫が言い終わるより先に女はそう言うと足早に去っていた。視線は薫に注がれたが、すぐに電車が来て、日常に戻った。

「なんか、ごめんな……。あの子さ、昔、俺が告白して、こっぴどく振られた子なんだ」

「わわっ! アタシこそ、浮かれてて、ごめんなさい。けど……アタシなら、京に好かれるなんて羨ましいと思うけどな」

「ありがとう」

 薫は、申し訳無さそうにしつつも笑って言ってくれた。薫の言葉は素直に受け入れられたし、薫なら信じられる。薫となら恋愛してみるのも悪くないかな? なんて、思ってしまった自分に驚いた。薫は助けれてくれたあの時から、本当に不思議な存在だ。

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