テキストサイズ

あと3秒だけ。

第15章 ふたりの危機。


『それに、きっと皆にそう聞いてますよ…!だから、大丈夫ですよっ』

口が止まらない。

貴久の声の寂しげさが

変に不安を掻き立てる。

沈黙になるのが怖くて、

貴久の言葉を聞くのが怖くて、

私の口は止まらなかった。


『有紗』


貴久の力強い声で、私はハッとする。

『大丈夫かもしれない。だけど、支店長の目が・・・何と言うか…その、俺を少し疑っているような目だったんだ。気のせいかもしれないけど・・・。だから・・・』

『……だから…?』



ストーリーメニュー

TOPTOPへ