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第2章 ぽかぽか
#N
暖かい春の日差し。
高校生になるまであと2日だ。
俺が入学するのは、都心からは少し離れた、
ベタに文武両道を校訓に掲げた進学校。
学生寮も備わっていて、
俺は今日からそこに住むことになっている。
寮に入ってしまえば、
親の転勤に振り回されることもないし、
うまくやれば女の子をつれこんだりも
出来ちゃうかもしれない←
進学先を決めるにあたり、
寮があるってのは俺の必須条件だった。
寮に入りたいからこの学校にする、
といった際、両親は難色を示していた。
部活にも所属しないであろう息子が
家を出て1人暮らししたいなんて
まずはお金がかかるし、
下心みえみえ、どう考えても怪しすぎる←
けれど、転勤のことに触れると
それもそうかと、最終的には快諾してくれた。
母さんは俺に転校ばかりさせたことを
申し訳なく思っていたようで、
今まで我慢していたものね、と涙ぐんでしまった。