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第9章 じりじり


#A


そうだ!見とれてる場合じゃないっ!



A「にのちゃん!昨日ごめんね?女の子だったらとか、にのちゃんが気にしてること言っちゃって・・・.。」



にのちゃんは一瞬不思議そうな顔をしたあと、

あぁ、と眉を下げて曖昧に笑った。




N「なに?別に気にしてないよ?」



笑顔なのに、悲しんでいるように見えるのは

俺の気のせいなのかな?



A「でも、ごめん。昨日からずっと謝んなきゃって思ってたんだ。」



N「ふふ、余計な心配させて、俺こそごめんね。」




A「・・・・。」




何だろう。にのちゃんの表情が読めない。




N「ね、それよりさ。しばらく俺、部屋戻れないし、食堂いっちゃわない?」



A「あ、うん。」



早くいこーって、俺に背を向けて歩きだした

にのちゃんの表情はもうみえない。





でもなんだかその背中が、

遠いどこかにいっちゃいそうで

ふと心配になったんだ。

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