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1985年空は蒼かった~イノセントスカイ

第28章 第二ボタンと言わず全部のボタンくれてやる!

夕方、オフクロに起こされ僕は目が覚めた

ついさっき卒業式をやったとは思えない程、僕には過去の事の様に思えた

その日は何処にも行かず、夕飯を食べ、風呂に入ってすぐに寝た

高校入学までの10数日間は春休みとなるが、特に何もする事は無かった

クラスの何人かは卒業と同時にバイトを始めた者もいた

僕はそんな気になれないし、まだ気分は中学生のままだ

波多野とは、何も話さないまま卒業してしまった
もし、この時代に携帯電話が普及して、LINEというコミュニティーツールがあったら波多野に告白しただろうか?

多分それは無いだろう
LINEがあろうが無かろうが、波多野に連絡する勇気は無かったと思う、何せチキンだったから…
あれはあくまでも中学時代の思い出として胸に閉まっておくべきで、もう無理矢理にでも、閉じ込めておこう、と言い聞かせていた

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