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こんな恋って、アリですか?

第2章 出逢い

  アパートへ帰宅途中の道 ――
  けたたましいサイレンを鳴らして消防車が
  何台も俺を追い越して行った


「やだ~火事ぃ? こんな夜中にかわいそ~
 でもどこだろう? なんか近そうだけど……
 フフフ~ン」


  俺ってば久々に、足元がおぼつかなくなるくらい
  酔っ払って、何だか気分はナチュラルハイで、
  ご機嫌に鼻歌なんか口ずさんじゃってる……


  夜道をフラフラご機嫌に鼻歌歌いながら歩く俺を、
  すれ違ってく人達は何かヤバイものを見る様な
  目つきで見ていく


「別にいいも~ん!!」


  開き直って大通りから裏路地へ入る

  あと少しで築50年のおんぼろ木造アパートが
  見えてくるはず


  この時間じゃポチはもう寝ちゃってるかなー?

  足音で人が判別出来るのか?

  3週間程前から野良犬が住みついていて、
  私がいつもアパートの前に来ると、
  駆け寄ってきて俺を出迎えてくれるのだ

  でももう夜中の12時……


「今日は出迎えはなしかぁ……」


  そう諦めて角を曲がった時、
  視界に飛び込んで来た光景に一瞬足が止まった


「え ―― っ。ちょっと待って……何これ、
 どうなってるの!?」


  道路にさっき私を追い越して行った消防車が
  数台止まっている

  その回りには野次馬の皆さんもゾロゾロと
  集まって……

  そして俺の目が釘付けになっているのは、
  消防車のホースが向けられている先

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