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こじらせた初恋

第8章 君と僕にあるもの

二宮 side







ニ「え?それキスじゃない?」



智「そんなワケないよ。翔くんだよ?」



相葉さんの話は適当にして、大野さんの幼馴染の話を聞いていた。



年末に幼馴染の部屋に訪れた話を聞くとどうも。



ニ「いやキスでしょ。じゃないと顔覗かないでしょ。しかも謝ってきてるし」



智「謝ったのは抱き締めたからだよ。翔くんだよ?」



ニ「それに座ってるときもそうでしょ。なんで引き寄せるのよ?」



智「ビスケット食べるのに遠かったんだよ。翔くんだよ?」



ニ「その、翔くんだよ?っていうのなによ?」



まだ見たことしか無いし、性格まで大野さんからの情報じゃわかんないよ。



まさかこんな展開になるなんて思ってなかったから、あの幼馴染のことそんなに考えてなかったし。



この前、俺を見てたあの目…



あれは嫉妬、だよな。



まさかの展開だけど。



向こうも大野さんのことを…






ニ「大野さん?」



声をかけても返事がない。



返事じゃなくてスースーと聞こえる。



ニ「大野さんよ」



大野さんは壁にもたれて眠っていた。



早いな!さっき喋ってたじゃん!




まぁいいか、と携帯を出してゲームを始めた。



あと少しでクリアできそうなんだよね。









「すみません。閉店なんですが…」



どのくらいの時間がたったのか、さっきの店員が申し訳なさそうに言ってきた。



マジで!!



俺は大野さんをたたき起こして、店を出た。




あ。



ニ「やべ」



智「ん?」



大野さんが眠そうにしながらも、俺の異変に気付いてくれた。



ニ「終電無くなっちゃった」



うわー。ゲームに集中しすぎちゃった。



いつもなら時間見てるのに。



絶望してる俺に大野さんは当たり前のように声をかけた。



智「オレんちくる?」







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