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こじらせた初恋

第9章 誤解

二宮 side







大野さんは小さなアパートに住んでいた。



もっと大きい所住めるだろ、とお金大好きな俺が心の中で顔を出していた。



部屋の前に着くと、鍵を開けてドアを開く。



すると、中から光が漏れてきた。



大野さん電気消し忘れたのかな。



ドアノブを持ってる大野さんは俺を満面の笑みで見た。



智「翔くんが来てるかも」



え?



まずくない?



それって俺いない方がいんじゃない?



大野さんは靴を脱いでずんずんと部屋の中へ入っていく。



智「翔くん!」



翔「さとしぃ。また鍵かけてなかっただろ。不用心だろ」



いい加減にしろよと幼馴染は掃除機をかけながら大野さんにグチグチ言ってる。



智「来てたんだ」



翔「おう、おかえり。こんなもんかな」



幼馴染は掃除機を片し始めた。



わーキレイになってるーって大野さんは喜んでる。



ホントに世話されてるんだな、大野さん。



翔「おばさんのおかず全然食べてないじゃん。ちゃんと食べてんのかぁ?洗濯物もちゃんと取り込めよ」



智「あー。忘れちゃうんだよね」



大野さんはごまかすように頭を掻く。



今度から一緒に食べなきゃなーって言いながら、大野さんから酒の匂いがしたのだろう。



翔「飲んできたの?」



智「うん、ニノとね」



翔「二宮?」



その瞬間、眉間に思いっきり皺が寄るのを見逃さなかったぞ。



智「そう。ニノ来てるんだよ。この前話せなかったでしょ。…あれ?ニノ?」



翔「来てんの?」








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