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うちの社長が酷すぎる!

第6章 突然の再会

レストランを出た頃には、もう夜の9時を回っていた。

「あー…長話しすぎたかもな」
「……はい、そうですね」
「あ、寒くねーか?夜冷えるし、上着貸すか?」
「……はい、そうですね」
「……稀ー乃ー?」

悪魔のような笑みを浮かべたヒカルさんが視界に入ってきて、思わず「ひっ」と短く悲鳴をあげて飛び退く。

「なんだよ、お前らしくねー。緊張してんの?」
「あ、当たり前ですよ!こ、告白断った相手とどう話せばいいかなんて、わかんないし……」

しどろもどろにそう言うと、ヒカルさんは呆れたようにため息をついた。

「ばーか。いつも通りにしてろ」
「えぇぇえ……むずかしいでわぶっ」

顔に布状の何かがあたり、ズレ落ちるそれを慌ててキャッチする。

「俺使ってたカイロだけど、まだあったかいだろ。」
「あ……りがとうございます」

ヒカルさんのほうが寒そうなのに、と思いながら好意に甘えてそれを握りしめた。

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