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うちの社長が酷すぎる!

第9章 波乱


「ん…っ」

ゼロ距離で勢いよくキスされたせいで歯があたり、
甘く鈍い痛みが走る

「ん……ふ、っぅ!」
「おわっ………と、」

宝条社長を突き飛ばし、滴った唾液を拭う

「なっ…なにするんですか!」

乱れた呼吸を整えていると、宝条社長は「なにって?」と言いながらまた近づいてくる

「なんでまた…っこんな、こんな…」
「なんでって、お前がしてほしそうな顔してたから」

思考が止まった。

「………な、わけ…」
「お前も、刺激を求めてたんだろ?」

宝条社長が立ち止まった

「俺とおんなじ。俺と同じように刺激を求めてた。彼氏がいるけど俺とセックスをした。そしてお前は俺とのセックスを忘れられないままでいる」

刺激なんて、求めてなかった。
あれだってわたしが望んだ繋がりじゃなくて、
社長に無理矢理…

「俺に無理矢理やられたって言うのも、それはそれでありだ。が、ほんとにそれだけか?わくわくしなかったか?」

あの高揚感、胸の高鳴り。
わたしは今も覚えている、あの甘い疼きを。

「事実として、お前は俺に言っただろ。『愛して欲しい』って」

顔が真っ赤になったのが自分でもわかった。
…図星だったから

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