うちの社長が酷すぎる!
第4章 知ってしまった
「食った……」
冷えたカレーを食べ終わり、台所に立つ稀乃を見る。
稀乃は嬉しそうに笑っていた。
(な………んだ、その笑顔。反則だろ…)
顔に熱が集まる。…とそれを見た稀乃が首を傾げた。
「…どうしたんですか?顔赤いですけど………」
「っ気のせいだろ…。」
こんな自分、自分じゃないみたいだ。
無愛想とかクールだとか言われてきた自分と真逆だ。
家に泊めてやったり冷めた飯でも食べたり…
「…こんなの…俺じゃねぇだろ……」
「?なんか言いました?」
洗い終えたのか、台所から出てくる稀乃。
Tシャツに短パンで素足、となかなか露出が多い気もするけど仕方ない。
稀乃は相変わらず俺が何に悶えてるか分からないみたいで首を傾げたまま。
小さくため息をつく。
…違和感があった。
さっきまで貼られてた絆創膏が無い。
怪我が治った?
「やー、ヒカルさんて優しいんですね〜」
Tシャツがズレ落ちて首元があらわになる。
…赤い跡。
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