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溺れてみたい

第1章 一


だけど――

安心するのは、何でだろう。


椎名の寝顔を見てホッと息を吐くと、そのまま私も目を閉じる。

今日は色々な事があって疲れた。

よく考えたらこの暑い中、トラックの荷台に長い時間乗ってたんだから当たり前だ。



私は売られたんだ。



……改めて自覚すると、急に虚しくなった。

だからといってもう何も出来ない。


逃げ出す……?


頭にそんな事が思い浮かんだが、疲れのせいか私は眠くなり、すぐに意識が遠退いていった。


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