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碧い空に出逢えて ~ 羽ばたく鳥 ~

第4章 はじめての・・・自由

それから私たちは


あのアパートに一緒に引っ越して


二人暮らしを始めました









え?・・・ええ、そうです


同棲です




別に…優人は

いつでも突風吹き荒れる彼じゃ

ありません



けじめをつけるときには、つける



そういった所でしょうか?






その一旦の区切りがつけば

あとは…私たちは少しのんびり




人生で一番自由と言っても良い

自由な時を過ごしていました








私と優人が…会っていても

誰も咎めないのです





私と優人が…手を繋いで歩いても



公然で一緒に食事をしても



一緒にお散歩しても



お買い物に行っても




そして・・・一緒に住んでいても




もう・・・誰にも後ろめたいことも


咎め立てられることもないのです。







そんな・・・かつての私たちにとって


夢や幻のような事が






それが叶う現実が


今ここにあったのです






だから…私たちは


一旦の区切りの後は


バタバタと事を急いだりはしませんでした






まぁ…細かく言えば際限がなく

お仕事の事もあれば

治療のこと

やらなければならない事は沢山ある

それも勿論ありましたが






私たちは

ようやくやってきた春



はじめて目にする

私たちの自由の空気を

共にお腹いっぱいに吸い込んで

その時間を大切に過ごすことに

決めたのです

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