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僕らの歪な経験値

第9章 続ける

和也 side







俺、今寝ちゃってた。



連日のアホとの行為でなかなか寝付けなかったから。



一瞬で深い眠りに落ちちゃってたな。



でもいささかすっきりした。



和「…おせーよ」



寝ぼけながらも上半身を起こした。



今何時だ?



雅「あ…」



バカがいた。




お互いにギクリとした顔をした。



てっきり大野さんか櫻井王子だと思ったのに。



大野さんすぐ来るって言ってたのに。



どうしたもんか。



雅「……和也、寝てたの?」



和「……名前で呼ぶな」



少しボーっとしてしてたから寝てたのバレたんだろ。



誰のせいで寝不足だと思ってんだよ。








バカは俺から目線を逸らすと、再び見つめてきた。



その目はギラギラしてて「あの時」と同じだった。



え?



何考えてんだ?









和「………ここ学校だぞ…?…」



その言葉が合図のようにこちらへ一歩、また一歩と近づいてくる。



こんなとこで何しようってんだよ。





和「く……来るな……」



バカが近づく度に、俺は後ろへ一歩、また一歩と下がる。









一度、学校のトイレに連れ込まれそうになったことがある。



その時の俺は全身が急速に冷えていくのを感じて。



強く引っ張られるその腕を振りほどいてダッシュで逃げた。







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