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僕らの歪な経験値

第1章 入学する

翔 side







春らしい風が吹く中、まだ桜は咲かず蕾のまま揺れている。



空は雲一つ無く、太陽はサンサンと輝いている。



暑くなりそうだったが、風のおかげでほどよい気温になり過ごしやすかった。






今日は高校の入学式。



それにふさわしい陽気に包まれ、式は厳粛に執り行われた。



俺は新入生代表として挨拶をした。



そのおかげか、教室に入っても他の生徒より声をかけられた。



女子が多い気もするがいつものことなので気にしない。



雅「しょおちゃーん!」



翔「わぷっ!」



雅紀とは中学から一緒だった。



すごいバカだと思ってたから同じ高校に来て驚いている。



そんな雅紀が俺の背中に飛びついてきた。



雅「俺、翔ちゃんと同じクラスだぁ。やったよーーー!」



翔「はいはい。よかったな」



雅「ひどぉい。他人事じゃーーん!」



翔「ごめんごめん。また一緒になれて良かったよ」



雅「しょぉちゃーーぁん」



また力いっぱい抱き着いてきた。



雅紀はこのように、いつもテンションがバカみたいに高くて。



実際バカで。



なんも知らなくて。



おれが勉強教えてやるなんてしょっちゅうで。



でも。



純粋で。優しくて。



人を悪く言ってる所なんて聞いたことなくて。



コイツとは友達になれないって最初思ったけど。



慣れてくるとすっげぇいい奴だってわかるんだ。







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