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僕らの歪な経験値

第5章 稽える

智 side







櫻井翔の存在は俺の中に特に無かった。



頭が良くてクラス委員を押し付けられた男。



顔もいいし、クラスメートからも慕われてる。



普通に生活してても、そんな情報が入ってくる。



そんな男に特に興味なかった。



関わる事なんて無いって思ってたから。







でも、俺らの関係が急に変わったんだ。



ニ「大野さん…」



机に突っ伏して寝ていたら、ニノに頭をノックされた。



智「帰んの?」



ニ「いや、コイツがなんだか手伝って欲しいって」



ニノが親指コイツとやらを指さす。



そちらを見るとげっそりとしたイケメンの櫻井くんがいた。



え?ひどい顔!



目の下にクマあるし。



体から活気が全く感じられない。



なんかよくわかんないけど。



智「手伝ったら?」



櫻井くん余裕なさそうだよ?



ニ「大野さんもやる?」



ニノのこの言葉に櫻井くんが反発してる。



俺じゃなくてニノだけ必要みたい。



だけどニノはゲームを買ってくれること、俺も一緒に手伝うことを条件に出した。



櫻井くんは、余裕のない顔を更に限界に歪めて納得してた。



いろんな意味でかわいそう。








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