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僕らの歪な経験値

第5章 稽える

智 side







好きって言ってくれたけど、もうとっくに飽きてるんだ。



俺のことなんて、きっと最初から好きじゃなかったんだ。









翔「おわっ!」



真実を知って絶望してる俺の前に櫻井くんが現れた。



ああ、もう用事は済んだんだ。



いつも通りにしなきゃ。



さっきのは聞いてないフリした方がいいよね。



智「櫻井くん、おつかれ」



なんとか笑顔を作って出迎えた。



翔「さっきの聞いてた?」



さっきのって?



俺のことなんて好きでもなんでもないって話?



智「今来たけど?」



聞いてたよ。



しっかり聞いてた。



智「さては俺の悪口でも言ってたんでしょ~」









あーあ。



知りたくなかったなー。











エッチをする時に男の喘いでる声なんて聞きたくないよ。



だから口を塞ぐね。



男のものなんて見たくによね。



シャツで隠しておくね。



そしたら平らな胸も見せずに済む。



終わっていつまでも裸でうろちょろしてたら見苦しいよね。



さっさと服着るね。



今まで我慢させてたよね。



ごめんね。









櫻井くんが俺のこと名前で呼んでくれた。



智って。



俺も櫻井くんを名前で呼ぶ。



翔って。




恥ずかしくて。



嬉しくて。



切ない。










もう疲れたな。







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