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僕らの歪な経験値

第7章 会する

和也 side







親に頼まれてこの学校に入った。



あなたの役にたつからと。



まあ俺は意見なんてもんはないし、それに従ったわけよ。



思ったより進学校で、思ったより勉強しなきゃなんなかったけど。



晴れて受かった時は、思ったより嬉しかったんだよな。



高校はまあまあ楽しい。



席が近くて友達になった大野さんもおもしろいし。



大野さんておもしろいんだよ。



この高校来た理由ね。



家から近いからなんだって。



聞いたとき目が点になったよね。



だって、そんな理由で入れるくらいの高校じゃないから。



だからね。



勉強ついていけてないみたい。



でも別にいんだって。



卒業できればいいんだと。



未来じゃなくて今を生きてる男。



我が道を行く大野さんらしいやね。



大野さんはいつも寝てるし、いつも寝ぐせついてる。



マイペースな大野さんといると、とても楽だった。









ある日、担任の予言通り、櫻井クラス委員が俺に手伝えと頼んできた。



面倒くさいから断るも、条件まで出してきて必死だ。



その態度嫌いじゃないぜ。



でもな。



なんかコイツとは馬が合わないんじゃないかな、と俺のアンテナがビンビンきてる。



コイツと2人で作業するのか。



ニ「大野さんが手伝うって言ったら手伝う!」






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