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僕らの歪な経験値

第7章 会する

和也 side







結局、大野さんの秘密を櫻井王子に暴露したことは咎められなかった。



だって、大野さんの調子がいい。



大野さんの悩みと櫻井王子がそれを聞いてきたことがどうなったかわかんないけど。



大野さんは例の人とデートとかしてるみたい。



お土産くれるし。



オオサンショウウオのぬいぐるみとかね。



リアルなまだら模様だけど、どこで買ったんだよ!



なんとなーく大野さん嬉しそうだから上手く彼氏彼女になれたのかな。



なんか事情ありそうだから聞いてないけど。



クラスの奴だろ?



誰なんだろ。



でも大野さんが特定の女子と話してるなんてことないけどな。



隠すのうまいな。



そんなウキウキだった大野さんが。




いつからだろう。



どうしたんだろう少しだけ元気が薄れていった。









雅「大野くんうまくいったのかな?」



和「いったんじゃない?デート行ってるっぽいし」



帰りの電車に揺られながら座って2人並んで話す。



俺ら方面の人は客数が少なくてかなりすいてる。



入学して新鮮だった外の景色はもう見慣れた。



雅「よかったね!あ!しょぉちゃんも最近デートしてるっぽいよ」



和「みんなデートする相手がいていいねぇ」



そういやあんまり切らしたことなかったな彼女。



珍しく半年以上いない。



雅「俺とデートしちゃう?にゃは」



と言っても別にクラス委員とか忙しいし。



友達にも恵まれて楽しく過ごせてるし。



雅「聞いてる?」



和「相葉くんさあ。彼女いるんだっけ?」



雅「なっ!なんで?いっ今、いないけど…」



慌てふためく隣の人も面白いし。



和「だよねぇ」



雅「しっ失礼なっ!!俺これでもモテるんだよ?」



電車は激しくカーブした。



俺は大きく揺れながら、俺も彼女作ろうかなとぼんやり考えていた。






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