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眠れない夜を抱いて

第3章 友達じゃなくて

A side



次の約束はすぐに取り付けた

だってこういうのは勢いが大事だし、2回目が上手くいけばもっと近付けるから


確かに自分のα性を使ってΩのにのを屈服させようと思えば、正直たやすい

だけどそれをしたらにのとは “友達“ としても成立しなくなるからしたくない事で


…いや、本音を言えばにのに対しては “友達“ で終わる気はないんだけど


にしても、電車で感じたあれは何だったんだろう

フェロモンはフェロモンなんだけど


惹き付けて離さないあんな匂いは初めてだ

発情期前の微量なフェロモンも、普段なら感じる事もないし、余程でなければ反応しないのに



さりげなく項を見たけど、きれいなままで

幸いにのにはまだ番はいないのが分かった


あれだけ可愛い成りをしていれば、無理矢理にでも付いていてもおかしくないと思ってたから、そこはかなり嬉しい



それに、俺がαだと知っても態度を変えないにのはそれこそ新鮮で

秘めた強い自我にも惹かれていた

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