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COLOR’S~殺したのは私~

第10章 一茶VS琥珀(ISSA SIDE)②

怯えている様子の琥珀に苛立ち始めた。

そして迂闊にも琥珀に手を出してしまったことを後悔した。

やはり琥珀じゃダメだ。

意志の疎通も出来やしない。

朱夏の身代わりにもなれない。

「帰ろう」

琥珀を置き去りにしたまま俺は自宅の方向へ歩きだした。

「待って……違うの……」

背後から琥珀の震える声が微かに聞こえたが無視した。

「一茶!お願いだから待って!」

それは初めて耳にする琥珀の大声であり、必死な様子が窺え俺は振り返った。

「ここじゃ嫌なの!二人きりがいいの!」

琥珀は予想外のことを恥ずかし気もなく大声で俺に訴えた。

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