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COLOR’S~殺したのは私~

第11章 一茶VS琥珀(ISSA SIDE)③

朱夏と泊まるはずだったラブホ。

しかし俺の目の前で佇むのは浴衣姿の琥珀。

花火大会の会場からラブホまでの一時間の道程を互いに無言で歩き続けた。

「予約した青島です」

いつもだったら部屋の鍵の受け渡しと精算の時に無言で覗く小窓に向かって初めてこちらから声を掛けた。

そんな俺の様子に「誰と泊まるはずだったの?」的な問い詰めをされるかと思いきや、琥珀は黙り繋いだ手を握り締めているだけだった。

そんなことを口にしてしまったら俺に怒られるとでも思っていたのだろう。

初めてのラブホを目にした琥珀は呆然と突っ立っているだけで、慣れている俺はバスタブにお湯を溜めるとベッドの縁にドカッと音を立て腰を降ろした。

ここは朱夏のお気に入りの部屋で部屋全体は白い装飾が施されている。

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