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僕のまーくん。

第4章 何かが変わる季節

Aside

翔ちゃんがからかうような、口調で僕にとっては冗談じゃないようなことをかずくんに言うから。

かずくんの顔を覗きこんだら、やっぱり!

かずくん、怒ってるよね?

まだ、翔ちゃんも大ちゃんも自分達の自己紹介はちゃんとしてないのに、翔ちゃんがそんなこと言うから!!

だから、僕は、勢いだけでかずくんの可愛いクリームパンみたいなお手々をグイッと引っ張ってグングン歩き出していた。


何にも言わずに着いてきてくれたかずくんが、不意に

「ちょっと、まーくん。痛いし、疲れた。」


って言った。僕は、ハッとして、かずくんの手をごめんねって言って離した。

二人とも、ハァハァ言いながら息を整える。

無我夢中で、かずくんを引っ張って歩いてたどり着いた場所は誰も普段は来ないような校舎の裏の使われない倉庫の前だった。‥……こんなとこ、かずくん来たことないよね。

僕は、さっきの翔ちゃんの言ってたことをまた頭の中で思い出して、シドロモドロでかずくんに謝った。


そしたら、かずくん。

「可愛い~~❤❤二宮くん、ヤバイ!って?」


「雅紀にいつも弄られてんじゃないって?」

そう言って僕の顔を下から覗き込んできた。

‥……ッ!

ちょっとちょっとちょっと!!///

翔ちゃんじゃないけど、かずくんにそんなに可愛い顔して見てこられたら‥……ッ!

僕は僕は‥……ッ!!

頭で考えるより、体が先に行動しちゃいましたパターン‥……!

かずくんに下から覗き込まれて、僕はかなり動揺してしまって真っ赤になるのが自分でもわかったから、思わず、かずくんのシャツをグイッと、引っ張って、そのまま自分にぎゅうって引き寄せた。


「まーくん?」


かずくんの声が‥……少し震えたような明らかに動揺してるかずくんの声が、今僕の体にぴったりくっついてすぐ下から聞こえてくる。

僕が自分からした行動に自分でも、びっくりしてるのに‥…この行動にかずくんは一体どう思ってるんだろう!!

小さい頃から、知ってるこの温かいぬくもりに今はとてつもなく、ドキドキしている自分がいた。

下から僕の顔を覗き込んでる、激可愛い❤かずくんのアップに咄嗟にヤバイ!と頭の中で警告音が鳴ったような気がした。

ドキドキ。

心臓の音が煩いっ!

サラサラの黒髪のかずくんのシャンプーのいい香りが鼻を擦った。





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