僕のまーくん。
第38章 綾野くん
今日の帰りは真っ直ぐ家に帰らなきゃ
いけなかった。
どうしても外せない用がある
母さんの代わりに、ピアノを教えに
幼稚園の女の子がいるお宅にお邪魔
しなければならなかったからだ。
……せっかく、応援団の練習をしてる
相葉先輩を見たかったのに。
残念だな……
でも!
約束してくれたんだ。
あの、相葉先輩と仲のいい
「幼なじみ」の二宮くんが。
朝、話しかけてくれて。
「今度紹介するね」
って!!
あ~生きてたらいいこともあるんだな。
ちゃんと、学校も真面目に通ってて
良かった。
二宮くん、いつ相葉先輩と会わせてくれる
んだろう。
……緊張するな。
いつも、遠くから見てる事しか出来なかった
あの相葉先輩を前にしたら、俺……
まともに話せる自信、ない。
だけど、こんなチャンス!
神様がくれた、こんなチャンスを
逃したくない!
二宮くんと席が近くなって、その二宮くんが
俺なんかに話しかけてくれて。
一気に、相葉先輩との接点を近く感じる
ようになったんだ。
こんな俺でも、相葉先輩にだけは
ちゃんと印象よくしたい。
それから……それから。
あの、眩しいくらいの太陽みたいな
キラキラした笑顔を今度は偶然じゃなくて、
俺に……
俺だけに向けて見せて欲しい。
大好きです。
相葉先輩。
……明日も、学校行くの楽しみです。
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