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月明かりの追憶

第4章 募る想い

・藤ヶ谷side

あれから何事もなく日が過ぎていき、俺達はいつもと変わらぬ毎日を送っていた。



二「ねぇミツ、いいだろ」

北「はっ?」

二「はっ?じゃねぇよ」

北「俺さ、その日は書道を習いに行くんだわ」

二「えぇーっ」



目の前では、ニカが北山に甘え。



宮「ターマさん今度の休みにね、ニコッ」

玉「あっ、わた このあと ごはん食べに行かない?」

横「俺と?」

玉「そうガヤも誘って」

宮「タマ、こっちを向いて俺のこと見てよ」

玉「やーだね」

宮「どうして」

玉「宮田この間、塚ちゃんと何処へ行った?」

宮「あれは」

玉「俺との約束をすっぽかし」



あら、みやタマのことを振っちゃったんだ?



宮「だって塚ちゃんに拉致られちゃったんだもん」



あはっ、ご愁傷様。



玉「ふーんそっ、だったらずっと拉致られてればいいじゃん」

宮「そんなぁ」

玉「ふんだ、プイッ」



そんな二人のやり取りを傍らで、苦笑いしながら聞いているわた。

平和な毎日、あの時のことがまるで嘘のよう。



千「ガーヤさん」

藤「なに?」

千「元気?」

藤「なんだよ、いきなり」

千「別に、フッ」

藤「おかしな健永、クスッ」



こんな日がずっと続いてくれたなら、そう思わずにはいられないほど俺達は落ち着いた穏やかな日々を送っていたんだ。

ただ―



北「ガハハハハ、ぎゃははは、バカよせ、くすぐったい」

二「ミツが俺より書道を取った罰だ」

北「なっ、なんで、それで罰を受けなきゃならないんだよ、ガハハハハ」



いちゃつく2人を見て、ズキンと胸のうちが痛む。



横「太輔?」

藤「くっ」



それが何を意味するものなのか、この数日間で俺は嫌ってほど分かっていた。

そう…



スタッフ「それでは皆さん宜しくお願いしまーす」



あの日以来、ぷつぷつと湧いてくる感情。



藤「ジーッ」

北「んなに?どしたの」

藤「別に」

横「‥‥‥」



それはもう抑えられないところまで来ていた、今にも爆発しそうな。




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