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BLUE MOON

第9章 責任


不安で息が詰まりそうだったあの日、涼さんは約束通り昼前に帰ってきた。

『おかえりなさい、涼さん』

私は玄関で真っ直ぐに見つめると

『ただいま…モモ』

涼さんは私をそっと抱き寄せ

『…愛してる』

耳元で愛の言葉を紡いでくれだ。

その言葉に保証なんて無いけれど私にはそれだけで充分だった。


それから1ヶ月。

「今日も雨ですね」

「たまには雨の休日もありなんじゃない?」

目を覚ましてから彼の腕の中で甘えられる穏やかな休日。

「行きたいところがあったんじゃないですか?」

「俺を追い出したいの?」

「そんなこと言ってません」

「アハハ、すぐそうやって膨れるんだから」

「知りません!」

雨空に感謝したいぐらい彼のぬくもりを感じられる休日

「姫は今日も可愛いね」

「またそうやって茶化すんだから」

「モモ、こっち向いて」

「キャッ!擽ったいっ!」

じゃれ合うように唇を重ね

「舌、もっと出して」

「…んっ」

結局昨夜の熱を求めてしまう私たち

「明るいからよく見える」

「…エッチ」

「こんなに濡らしてエッチなのはどっち?」

「…ハァッ…意地悪」

彼の指と舌に私の細胞のすべては喜びを感じ

「涼さ…もう…」

「もう何?」

「んあっ…欲しい」

「何を?」

「意地悪…」

益々彼との甘い時間に溺れていった。

「もう…無理…ダメっ…」

「まだだよ、我慢して」

「…我慢…出来な…ヤァッンッ」

彼の背中に痕を残し体を震わせて

「ダメって言ったのに」

一人果てれば息ひとつ切れていない涼さんの唇をねだった。

「もっと…欲しぃ…」

「じゃ、期待に応えて」

「ヤァッ…」

彼の熱が私の最奥へと突き刺さると私はすべてを捧げるように喉元をさらす。

「モモ…綺麗だよ」

「アァッン…ヤァッ…」

あなたになら何をされても構わないとひれ伏すように

「涼さ…涼さ…」

でも、こんなに愛されながら見えない力に怯えてる。

その原因ははっきり聞けなかったメインバンクのご令嬢のことと

「モモ…くっ…イクよ」

私たちのこれからのこと

「涼さ…」

彼を信じるしかない。

抱き寄せるこの逞しい腕に包まれながら待つしかない。

「…愛してるよ」

「…ハァッ…私も…」

重ねる唇に誓うように私は涼さんの背中に腕を回した。

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