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腐男子高校生と幼馴染のわんこ声優

第9章 ~愛の気持ちを伝える夕陽~

◇アメニイト日本橋店・スタッフルーム◇

-有里(夕陽)視点-

「じゃあ、俺達は片付けに行くから」

「うん、ゴメンね…。」

翔君達は、真根さんと研磨さんと一緒にイベントの片付けのために、アメニイトのスタッフルームを出て行った。

「郁君…。」

イベントでの騒動後、スタッフルームへ行って研磨さんに郁君の治療をしてもらうが、郁君は今も目を覚まさない状態だ。

ただ気絶してるだけでも、目を覚ましてくれないと不安と悲しみで心が暗くなる。

「郁君、早く目を覚ましてよ…。」

スタッフルームの長椅子の上で、横になったまま目を覚まさない郁君に言う。

何度呼びかけても、反応は返ってこない。

打ちどころが悪かったのと、頭から血を流す程だもんね…。

「郁君、ゴメンね…。」

それから、20分経っても郁君は目を覚まさなかった。

しかし、さらに10分が経って僅かに郁君の右手が動いた。

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