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好きにさせて

第1章 メアド


そんなやり取りの後
平田と別れて
俺はアパートへ向かった


なんやほんま
懐かしかったなぁ…


久しぶりに会った
茜のことを考えながら歩くと
俺が転校して来た時のことを
思い出す


俺は小3の時
茜の通う小学校に転校して来て
最初に隣の席になったのが
藤沢茜やった


茜は
俺の関西弁に目を丸くして
すぐに関西弁をマネし始めて
それがクラスで流行ったんやったな…


あの頃
茜は他の女子より
ちょっとませてて

いや

俺が勝手にませてる
思うてただけかもわからんけど
ちょっと雰囲気のある女子やった


そういえば…

今日の茜は
カウンターの中で
ずっと笑顔で
俺と平田にビールを
注いでくれてたけど

なんや子供の頃と
雰囲気変わった気いするな…


ま、俺も
色々変わってるやろうけど


そんな事を考えてると
茜からメールが届いた


『今日は久しぶりに会えて楽しかったよ。
また来てね』


待ってるって
書いてないことが
ちょっと不満やけど
まぁ、しゃぁない


俺はすぐに

『俺も楽しかったでー。
またなー』

と返信し
茜のメアドを俺のアドレス帳に
登録した



ふ、じ、さ、わ

あ、か、ね


っと。



この日から俺は
LINEが嫌いだという茜と
メールをやり取りするようになったわけだが
その後、小夜に顔を出したのは
茜と再会してから
二週間後のことだった


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