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好きにさせて

第14章 結婚



そして
デート当日


動物園に到着するまで
茜は機嫌よう
俺の運転する車の
助手席に座っていた


今日は天気もまぁまぁ

俺達は
夜のライトアップに合わせて
動物園に到着したのは午後やった


「なんや楽しそうやなぁ」

「うん、楽しいよー」


茜は
カジュアルな格好に
白いダウン

グレーの
大人っぽい手袋も
よう似合うてて
可愛らしい


「写真とろな」

「うん、そうだね!」


俺はどうでもえぇけど
茜の写真を
いっぱい撮りたいと思った



入園料を払って中に入り
そっと茜の手を握ると
茜がチラッと
俺を見上げて
微笑む


幸せやなぁ


茜の笑顔を見てると
ほんまにそう思うし

あの頃でけへんかったこと
これから全部叶えたろ

とか思う


「ねぇ、あっちから回る?」


「せやな」


「月曜なのに
人、多いね」


「あ…」


人が多いわけや

ちょうど前から
幼稚園くらいの子供と
その親達が
団体で歩いてきた


「遠足…かなぁ」


「そうかもな。
けどもう帰るみたいや」


「うん、そうだね」


子供達は
子供同士で手を繋ぎ合い
無邪気に笑いながら
歩いていて
微笑ましい


俺は素直に


「可愛いらしいなぁ」


と、言葉を漏らし


そして
その瞬間

マズイ

と思った



茜とのデートに
浮かれてたのか

まだ
動物園に入ったばっかりやのに
俺は
なんちゅうデリカシーのない事
言うてんねや!


と。


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