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好きにさせて

第14章 結婚


茜が
何のことを
『ごめんね』と言ったのか

俺は
どのことを
『気にせんでえぇ』と言ったのか

全くわからないまま
汗をかきはじめた茜と一緒に
風呂をでた


相変わらず
魂の抜けた
人形のような茜の身体を拭いて
バスローブを着せ
茜をベットに寝かせると

「まだ…帰らないの?」

と、茜は小さな声で呟いた


茜はもう帰りたいのか
俺とおりたないのか
そんなことを言う


そんなこと言うなや


泣きそうになる



「服・・・乾いてないしな」


込み上げそうな涙をこらえて
そう言うと
俺は茜に添い寝して
茜の目を見つめた


「なぁ」


「・・・」


「本気か?」



「・・・・」



「本気で言うてんのか?」



茜は
俺から視線をそらして
黙りこくった



「俺と・・・別れたいんか?」



「・・・・」



「なぁ、ほんまにそう思うてんのか?」




優しい口調で言うたつもりやったけど
その言葉で
茜の表情は硬くなり

茜の小さな耳が
赤くなった


そして
しばらくして

茜は



小さく頷いてみせた




なんでや・・・・

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