
好きにさせて
第4章 約束
「距離?」
「うん。
どのくらいの距離で
どのくらいの会話をすればいいのか
ちょっと…迷ってたの。
でも
まだ約束が継続してるって
言ってくれたから… 」
そこで茜は
言葉を濁した
その先を
言いにくいのか
それとも
言いたくないのか…
「なるほどな。
約束継続やから
他人行儀にせんでええし
昔みたな距離感でなんでも話せるしな。
俺も茜が
昔みたいに接してくれて
うれしいわ」
話にくかった
中学の頃の話もして
気が楽になったんやろう
電話をしてからの茜は
色んな事を
話すようになっていた
「そんな…感じ。
それに…
今の自分は
あんまり好きじゃないから(苦笑)
昔の私でいていいのが
とっても楽しくて。
それと…
尚と話してると
落ち着くし」
尚と呼んだことが
照れ臭いのか
茜は
それを隠すように
俺から視線を外して
ワインを口に含んだ
今の自分は
好きやない…か…
茜はいつもそうや
肝心なことは
言わへん
俺はもう中三やないで?
ええ大人や
せやから
時間かけて
悩み聞いたるからな
茜
「おぉ!
やっと尚言うてくれたなぁ(笑)
めっちゃ懐かしいわ。
まぁ色々あるやろうけど
昔みたいに
俺とおって楽しいなら
どんだけでも一緒におったるで?
話しも聞くし
俺の話も聞いてもらうしな。
フリやけど俺ら
付き合うてるんやし(笑)」
「そうだね。ありがと」
