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好きにさせて

第5章 部屋

コンビニで買い物をすませ
部屋に入ると

なんもない
と言われてても
多少緊張するのか
茜は少し
言葉が少なくなった


「狭いやろ?」


「うん・・荷物少ないね」


「実家にほとんど置いてあるしな
ココには必要最低限のものしか
置いてないねん。
あ~・・ソファに座っといてな
グラス取ってくるわ」


「あ、うん」


グラスを手に戻ってくると
「座ってろ」と言ったのに
茜はソファの前に腰を下ろし
テーブルの上に
買ってきたものを並べていた


「なんや職業病か?」

「そうかもね(笑)」


結局俺たちは床に座り
買ってきた酒をグラスについで
乾杯をした


「茜が
俺の部屋に来てた頃のこと
思い出すなぁ」


「そうだね」


「色んな話もしたよなぁ」


「うん(笑)
ちょっと恥ずかしすぎて
思い出したくないんだけど(笑)」


「なんや、どの話や?」


言わない言わない
というように
茜は両手で口を覆って
首を横に振った


もうほんま

このまま押し倒したい


「あーあれやな
キスってどんな感じなんだろうねー
とか言うてたよなー(笑)」


「やだもー」


「可愛いらしかったよなぁ
お互い(笑)」


「そうだね(笑)
手を繋いだだけで
息が止まってたし」


「おんなじグラスで
ジュース飲むだけで
意識してたしな」


そう言いながら
ふざけて茜のグラスを取り上げ
茜の酒を飲むと

結局やっぱり
意識してる俺に気づいて
笑ってしまった


「どうしたの?」


「いや(笑)
茜が綺麗なってるから
意識してもうたわ」


「また、嘘ばっかり」


「ほんまやで」


そう言いながら
茜に目をやると
あの頃何度もキスを妄想した
茜の唇がそばにあって
俺はまた
中三の自分に
心を重ね合わせた




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