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好きにさせて

第5章 部屋


恋人ではない


自分で言うたくせに
俺はその言葉に
打ちのめされていた


よき友であり
ちょっと友達以上であり
遠慮のない仲で
寂しい時には
一緒にいてくれる


茜にとって
俺はそういう存在


それ以上でも
それ以下でもない


いや


それ以上を
拒まれてる関係


そのことを
再確認できたからか

それからの茜は

ほっとしたような・・

更に俺に心を許したような・・

そんな顔で
俺の隣に座っていた



他人から言わせれば
都合よく利用されてるだけやと
言われるかもしれへん



それでも俺は

俺に心を開いてくれた茜が


好きで


・・好きで



こんな関係でも

いつかどうにかなるんやないかと

期待しながら

出口の見えないトンネルに

迷い込んでしまったんや

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