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あたしの秘密

第5章 電話

実家は自営業をしてる
電話は
仕事の大切なパイプラインだから

外線がいくつか有る

夜 寝る前につまんなくて
なんとなく 店に居たら

突然 FAXにかかって来た電話

「今 何してるの?」
って 若い男の声

ボーッとしてただけ
って答えたら
「少しお話しませんか?」
って

この電話は
自宅に繋がってないから
この時間かけてきても
本来は 誰も出ないよって
他愛無い話をしてた

だんだん
相手の男の息が荒く成ってきた

自分でイジッてるんだなぁ
この人

分かってるけど
クスクス笑って
「何してるの?」
って話し続けた

そしたら どうやら
終わったみたい

気持ち良かった?

嬉しそうだね

あたしに実害は無い

あたしは自分で触った事は無い
少し鏡で見てみたけど
とても美しいとは 思えない

でも この男はあたしに
「良い声だね」
って言ってくれた

だから 許す

多分
あたしは何も減って無いよね
電話代も向こう持ち
フフフ

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