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桜花楼の恋

第1章 始めの一歩

そこは妖しき男娼の世界―

一度その敷居をまたいだら抜け出すことは難しい。

しかし人々は、まるで引き寄せられるかの如くそこへと導かれてく。

ある者は口減らしのため。

ある者は人攫いの手によって、その門をくぐり抜け。

そして、ある者は親が賭博にハマってしまったが為の借金により。

ここに、1人の少年がいた。

彼は好き好んで、その世界へ足を踏み入れたわけではない。

貧しさ故、そう誰もが怯えていたのだ。

裕福な家に生まれ落ちた者にはない、貧困という名の魔物に。

その毎日から抜け出したくて足掻き苦しみ。

出した答えは身売り…

誰がそれを責める事ができようか?

全ては愛する弟たちの為に

物語は、そこからスタートする。

ときは江戸、徳川の時代にいま究極の愛が幕を開けようとしていた。

出逢いという名のもとで―




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