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桜花楼の恋

第16章 貫く強さと心

・北山side

太夫になると決心してから。



亀「よし次の客を通してくれ」



まだいんのかよ、ハァ

お得意さまになってくれる客と、面を合わすのに追われる日々が続き。



亀「そんな顔をするな可愛く愛らしく北山は太夫なんだから、フッ」



まだなってないわ、チッ

毎日が慌ただしく過ぎ去って行ってよ。



塚「頑張ってるかい、ニコッ」

北「えっ、塚ちゃん?なんでお前が」



今さら会う必要ないんじゃ…



塚「今日はこいつらの付き添いで来たんだ」

北「んっ?」

江「江田剛と申します」

越「越岡裕貴です」

松「えー松ざ…」

塚「でね」

松「師匠、私にも名乗らせて下さい」

塚「ってか、どうしているの?」

松「松崎祐介です、ニカッ」

北「はっ?」

塚「ちょ聞いてる?」

松「師匠はいつも俺の話しを聞いてくれないじゃないですか」

塚「あれは、まっいいや」

松「ほら」



なんだ?このやり取りは。



塚「北山は侍しか相手にしない太夫なんだから百姓のお前が来ても無理わかった?」

松「俺も力になりたいんです五関の若旦那だって町人ですよね」

塚「五関は特別、松崎とは違うの」

松「そんなの不公平です」



ぷっ、クククッ



亀「はいはい、こう言ってるけど?どうする」

北「面白いからいいんじゃね?フッ」

松「じゃ、じゃあ」

亀「その代わり来るときは侍の格好で、いい?」

松「はい、ニコッ」



変なやつ、事情ちゃんと分かってるんだろうな?フッ



松「やった、これで人助けが出来る」



はっ?まぁ、いいけど。

俺の客は殆どが侍、こいつ加賀の若君がそうしたんだ。



亀「けっこう集まったじゃん」



欲情に駆られた奴にやられる危険性を避けるため、自分の身内を引き込み。

とはいっても、大半が家来衆や繋がりを持っている旗本連中らしいが。

さっすが顔が広いわ、フッ

他にも、河合のところの福ちゃんや雄大が定期的に顔を出している。




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